円形脱毛症の鍼灸 東洋医学療法

円形脱毛症の鍼灸 東洋医学療法

 円形脱毛症の原因は、ストレスからくる自律神経の失調によるものが多く、頭皮と同時に自律神経失調
も治療することが重要です。このページは朝岡鍼灸院の円形脱毛症の治療方針の紹介です。

円形脱毛症とは

 円形脱毛症は、頭髪が円形または楕円形の脱毛が突然発症するもので、その大きさ、数は
人によって様々です。頭髪以外にも髭 眉毛なども抜けてしまう場合もあり
重症の場合は全身の硬毛 うぶ毛にまで及ぶこともあります。

円形脱毛症の原因

 現代の医学では確かな原因は解明されていないので、確実な治療法はないのですが
私の治療経験上、円形脱毛症の患者さんは、なんらかのストレスがきっかけになる場合が多い様です。

 

 本人がストレスに気実際には家庭内、対人関係、仕事などでの問題をかかえていることが多いし、脱毛を気にしすぎることが更に大きなストレスになってしまい、症状をより悪化させることになってしまいます。

 

 東洋医学では、人の感情は五つに分類されます。怒り 喜び 思う 悲しみ 恐れる(五行説)
(五行説とは【五行色体表】参照)は、どれも、それがすぎればストレスとなり、それぞれの感情が属する五臓六腑に
負担をかけてしまいます。

 

 たとえば、「怒」(怒ったりイライラしたりしすぎれば)「肝」と「胆」の元気をつかいすぎてしまい
「肝」と「胆」のはたらきを低下させるため、肩こり、不眠症、めまい、頭痛、高血圧、自律神経失調症など
様々な症状となってからだに現れてしまいます。

 

 つまり円形脱毛症はその症状の一つにすぎないと考えていただきたいのです。
円形脱毛症は、脱毛している頭皮だけが悪いのではなく、ストレスなどの原因により自律神経が失調し
からだの元気が低下
してしまい、たまたま頭皮に症状が出ているのであって

人によっては不眠症だったり、頭痛であったりするが、もともとの体質の違いによって
円形脱毛という症状になり、からだが不調をアピールしているのだと考えてください。

円形脱毛症の治療法

 東洋医学では、たとえどんな難病の患者さんであっても、治療の目的、方向性は同じです。

 自然治癒力【自分の身体を治す元気】を高めるようにしてあげれば良いのです。
ですから、円形脱毛症などと病名がついていても関係ありません。
病名などにとらわれず、ただ治癒力が高くなるよう身体を元気にしてあげればよいのです。

 

 1. 実際の治療はまず、からだ全体の調整です。

東洋医学では自然治癒力は五臓六腑の元気より生じると考えられています。
先に説明したとおりイライラしすぎれば肝胆、悲しみがすぎれば脾胃の元気がよわくなるので
まずはその弱った五臓六腑の元気を強くしてあげることが大切です。
この基本治療はストレス自律神経失調症とほぼ同じなのでそちらをご覧下さい。

 

 2. 次に脱毛部分への治療です。

からだの表面には、経絡という五臓六腑の気の通り道があり、頭部においては膀胱、胆の経絡が通り
それぞれの気がめぐっています。

 脱毛部分への治療としてはまず、その部分を通っている経絡の気の流れ方を判断し、
【気が弱いのか強いのか】これを調整すること
【弱ければ強くなるように】これには針をごく浅く1ミリ程度刺したり
ごく小さな【2ミリ程の】痕の残らないお灸をしたり、小児針でこすって軽い刺激をします。

 

 以上のように治療のポイントは、からだ全体を元気にして治癒力を高めること
次に、脱毛部の気の流れを改善すること、このふたつです。

 円形脱毛症は回復時にまず、白く細い毛がはえてくることがおおく(はじめから黒い毛の場合もあります)
その後徐々に黒く太くなり治っていきます。

円形脱毛症の治療期間

 治療の経過は人によりさまざまですが、この白く細い毛がはえ始めるまでがんばれば
後の経過は順調なので心配ありません。
細い毛がはえ始めるのは患者さんの病歴や体質にもよるので、週1回の治療で早ければ2週間ですが
3ヵ月以上かかる場合もあります。
しかし根気よく治療すれば必ず良い結果につながります。

 

 脱毛症は周囲の人が思う以上に本人はつらいものです。
質問、相談などありましたらメールまたは電話にて問い合わせください。  

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