慢性関節リウマチの鍼灸治療 保存治療法

慢性関節リウマチの鍼灸治療 保存治療法

 慢性関節リウマチは薬の治療では対症療法にすぎず、原因を治療することはできません、朝岡鍼灸院
の慢性関節リウマチの治療法は、原因である自律神経やの流れを調節し免疫のバランスを整えます。

rheumatoid arthritis(RA)とは?

    • 原因不明の多発性関節炎を症状とする慢性全身疾患
    • 20歳~50歳代の女性に多い(男性の約5倍) 
    • 日本では人口の0.3~0.5%の有病率
    • 約1割強の人は多関節破壊の合併症のため重度の機能障害となる

慢性関節リウマチ(リュウマチ)の原因

 慢性関節リウマチ(RA)は自己免疫疾患と考えられ、様々な免疫異常が認められる。
この免疫異常はある種の細菌やウイルス感染、又は遺伝的要因も関係すると考えられているが根本的には解明されていない。

慢性関節リウマチ(リュウマチ)の関節症状

<朝のこわばり>
朝起きる時に関節がこわばって指の屈伸がしづらく、指を動かしているうちに軽減、もしくは消失する。

<部位>
手の指先の関節、手関節、足指関節など、末梢部位より始まることが多いが
最初に膝関節や肘関節に起こることもあり、特徴としては左右対称である。

<疼痛>
多関節の自発痛に運動痛でこの自発痛は疼くようなつらい痛みで、天候の影響を受けやすい。

<腫脹>
疼痛と同時に関節液の貯留により腫脹をきたす。関節不安定  可動域制限  変形  握力低下 など

慢性関節リウマチ(リュウマチ)の関節以外の症状

  • 発熱(37度台)
  • リウマトイド結節
  • 眼や口腔の乾燥(シェーグレン症候)
  • 貧血
  • 胸膜炎
  • 末梢神経障害
  • リンパ浮腫
  • 腱鞘炎
  •  など

慢性関節リウマチ(リュウマチ)の検査

  • X線
  • 関節造影
  • CT
  • 血液(赤沈亢進)
  • CRP上昇
  • 白血球増加
  • リウマチ反応陽性
  • 低たんぱく血症)

慢性関節リウマチ(リュウマチ)の診断 (アメリカリウマチ協会)

  • 朝のこわばり
  • 3関節領域以上の関節炎
  • 対称性の関節炎
  • リウマトイド結節
  • 血清リウマトイド因子
  • X線像の変化

 以上のうち少なくとも4つの項目を満たすものをRAとする。

RAの機能障害の分類

  1.  身体機能は完全で不自由なしに普通の仕事ができる。
  2.  身体を動かす時に1ヵ所、又はそれ以上の関節に障害があるものの、普通の生活なら何とかできる。
  3.  自分の身の回りのことや仕事がごくわずかできるか、ほとんどできない。
  4.  寝たきり、又は車イスに頼った状態でほとんど身の回りのことができない。

進行程度による分類

 

進行度 X線所見 筋の萎縮 関節以外 の症状 関節変形 強直
1 破壊像なし なし なし なし なし
2 骨萎縮    骨・軟骨の軽い破壊 関節付近 ある場合もある なし なし>
3 骨萎縮    骨・軟骨の破壊 広範囲 ある場合もある 亜脱臼 過伸展 なし
4 3+骨性強直 広範囲 ある場合もある 3に同じ 線維性又は骨性強直

慢性関節リウマチの(リュウマチ)一般的治療法

<薬物療法>

「非ステロイド系抗炎症薬 nonsteroidal antiinflammatory drug(NSAID)」にて鎮痛、腫脹の軽減をはかり、続いて副腎皮質ステロイド薬(強い抗炎症効果がある)、さらに抗リウマチ薬、免疫抑制薬、生物学的製剤の順で通常は使用される。

<外科的療法>

  • 滑膜切除術—-増殖した滑膜を取り除く手術で炎症の減少を目的とする
  • 切除関節形成術(変形の矯正)
  • 関節固定術
  • 人工関節置換術—-リハビリテーション、温熱や冷罨法で疼痛を緩和させた後、筋力回復訓練、関節可動域改善訓練、歩行訓練

慢性関節リウマチ(リュウマチ)の鍼灸治療

 リウマチの患者さんは痛む所腫れている所など、症状の出ている場所に鍼や灸をすれば良くなるだろうと
考えている方が多いのですが、それでは薬物などによる痛み止め、又は外科的手術などと同じ
単なる対症療法に過ぎません。

(痛む所だけに鍼を刺して良くなるのなら、治療を考える必要も無く簡単で良いのですが
それだと重度の場合は鍼だらけになってしまいます)

 

 鍼灸治療では自然治癒力を高めることに重点をおきます。

 

 つまり自分の身体は自分自身の元気で治さなければいけないということです。
薬に治してもらおう、手術で治してもらおうとこれらに頼ってばかりではいけません。
(必要な薬や手術とそうでない物があり上手に使い分ける事が大切である)

 

 この様な頼りすぎは少し改め、自分の力でリウマチを治すという意識を持つ様にして下さい。
これだけでも身体における気の流れ方(自然治癒力の出方)がちがいます。

 

 では具体的な治療はというと、リウマチだからといって特別に治療法が他の症例と違うわけではありません。
(それが鍼灸治療です)

 

 まず五臓六腑の気の流れを調節し自然治癒力を高めること。
これは自律神経失調症のページにくわしく記してあります。

 

 鍼灸治療の目的は関節の変形や痛み、腫れに勝つ元気、それらを治す元気を出してあげることです。
そこが対症療法基本の西洋医学との大きなちがいです。

 

 私的にはリウマチの治療はそんなに難しい物ではありません。
特に指や手首などの小さな関節はあまり大きな荷重がかからない分効果も早く
膝関節の痛みや腫脹にしても一般的な変形性膝関節症の治療と経過は同じ様なものです。

 

 むしろ先天性股関節脱臼による変形性股関節症の治療の方が関節の形状、長期の病歴
(生まれた時から現在までが変形性股関節症の方は病歴と言える)
などの理由から大変な場合があるくらいです。

 

 この様な指、手、肘、膝などの部分的治療はその痛む場所を通っている経路
(五臓六腑を働かせる元気が流れている道)上の気の流れが弱いのか、強すぎるのか見極める事。
弱ければ気の流れを助ける様、強ければ流れをさまたげる様に、鍼灸治療を施せば良いのです。

 

 しかし、この気の流れを感じることの出来るセンスの良い鍼灸師でないと
もし逆に治療した場合に症状が悪化してしまいます。(何ヶ所か鍼灸院をめぐり上手な方を探すのが得策です)

 

 ここでは具体的に使用するツボ名や手技は個々で違う場合が多いので省きますが
治療の目標としては、まず身体全体の気の流れを調節すること(自然治癒力を高める)と、
症状が出ている場所の気の流れを調節することです。

 

 以上が他の疾患も同様の基本方針ですがこの他に、リウマチは自己免疫疾患なので免疫の治療をすることが重要です。

 

 免疫とは簡単に説明すると、細菌やウイルスなどの体内への侵入に対し、これらを攻撃し自己を守る機能のことです。

 

 自己免疫疾患とは、この免疫が間違って自己の体に対し攻撃し免疫反応をおこしてしまう病気です。

 

その間違いの対象が、内臓ならエリテマトーデス(SLE) クローン病 潰瘍性大腸炎 皮膚なら強皮症
神経ならギランバレー症候群(GBS)で、これが関節、滑膜ならリウマチになります。

 

 リウマチに病院で処方される薬に免疫抑制剤というのがありますが、これはそのとおり免疫の働きを
抑えてしまう薬です。
自分の体を攻撃してしまう免疫を抑えれば、確かに症状は緩和されるでしょう。

 

 しかし、細菌やウイルスに対する防御や癌細胞の広がりを止める働きも抑えてしまうので本来の免疫機能が低下してしまうので弊害として各種感染症や癌を併発してしまう危険があります、実際に子宮癌、結核を患い 免疫抑制剤、生物学的製剤が使えなくなり鍼灸治療に来られる患者さんもおります。

まとめ

 そこで、リウマチなど自己免疫疾患に対する私の治療方針として、免疫を抑制するのではなく、
間違って自分の体を攻撃しているのだからその間違いをただし、関節や滑膜を攻撃するのではなく、本来のとおり自分の体を守る免疫に戻してあげることが一番重要であると考え、リウマチ自己免疫疾患の鍼灸治療をさせていただいております。

【このリウマチ自己免疫疾患の治療法は、私の臨床経験30年からの独自のものとなります】

 

 もしリウマチで鍼灸治療をお考えの方は是非ご相談ください。

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