時々この様な質問をされる患者さんがおります。
実際に癖になる治療法とは、前記の様な自然治癒力を高めることに重点をおかず 症状の出ている所(痛みや硬さ)に太めの針を深く刺す治療を繰り返す場合です。
この方法は一時的な鎮痛、鎮静作用は期待できますがその効果が持続するわけではありません。 治療をするごとに体が針に慣れてしまい、その効果が減ってしまいます (いわゆる一時の痛み止め的なやり方です)。
数回の治療で良くなってしまう、ぎっくり腰等の急性疾患には、深く刺しても癖になる前に良くなってしまうので 問題ないのですが、治療期間が2ヶ月以上に及ぶ椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症、むちうち、坐骨神経痛、 変形性関節症、リウマチ等の痛みの強い慢性疾患に対しては、初めのうちは鎮痛鎮静効果は高いのですが 徐々に刺激を多くしたり、治療日数を多くしないと痛みが止まらなくなるのです。 これが針治療が癖になってしまうしくみです。
薬の痛み止めが最初は少量で弱くても効きますが、長期に服用が及ぶと徐々に体が慣れてしまい 薬を多量で強いものにしないと効かなくなるのと同じです。
したがって症状の出ている場所にあまりとらわれずに自然治癒力を高めること、 それぞれの疾患の原因をしっかりと治療することに重点をおき 徐々に間隔をあけられるような方法が良い治療なのです